929: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/01/19(月) 08:51:58.84 ID:NK2DpFnT0.net
ベルセルクの1エピソード。読んだの十年くらい前だから色々とうろ覚え 

ベヘリット(覇王の卵)を手に入れた者は、強く願い、大切な人を生け贄として差し出すと宣言することで、「使徒」という怪物に変身する力を得られる 

主人公ガッツは使徒を殺す旅をしているキラーマシン 
旅のお供は勝手に同行しているひょうきん者の妖精 

ガッツはある都市を訪れる 
その都市の領主は異教徒を問答無用で弾圧し、時に無実の人まで捕らえ、密かに城の地下で惨殺していた 

妖精は領主の兵士に捕らえられてしまう 
妖精は領主によって領主の娘へプレゼントとして贈られてしまう
娘(領主とは似ても似つかぬ美少女)は母が異教徒に殺されて以来ずっと城の部屋に幽閉されており、外から来た妖精ととても仲良くなる

ガッツは領主の城へ単身凸する
使徒である領主は恐ろしい姿の怪物へと変身する
城が半壊するくらいボコり合ってたら、そこへ部屋から抜け出した娘がやって来る
娘は父の顔をした怪物の姿を見て悲鳴をあげる
領主は怪物であることを娘に知られた事にショックをうけ、ガッツに対し怒り狂う
ガッツは娘を捕まえて盾にして領主の攻撃をかわし、領主に瀕死の重傷を負わせて勝利する。汚ない。流石ガッツ汚ない

だが瀕死の領主は再びベヘリット(覇王卵・光)に願い、願いを叶えてくれる悪魔の様な存在を呼び出す
領主は傷の治癒を願い、ガッツを生け贄に捧げると宣言
しかし悪魔はガッツを拒否し、娘を生け贄として要求する

930: 2 終わり@\(^o^)/ 2015/01/19(月) 08:54:04.67 ID:NK2DpFnT0.net
これには流石の領主も苦笑い
すると悪魔は「お前以前にも愛する者を捧げたやろ。今更何を躊躇しとんねん」と言う
娘がその言葉を疑問に思う、悪魔は過去の出来事の映像を再生して見せる。領主は「やめてくれ!」と懇願する

かつての領主は誠実かつ聡明そうな顔をしており、日々真面目に邪教徒(悪魔崇拝者)狩りに徹していた
それは辛い激務だったが、美しい妻と幼い娘の存在が領主の心の支えだった
ある時、領主はいつもより早く城に帰還した
すると城の地下では大勢の邪教徒達によるサバト(悪魔崇拝)が行われており、その中には恍惚と笑みを浮かべている妻の姿があった
領主はその場にいた妻以外の邪教徒を皆殺しにし、最後に妻に剣を突き付けるものの、思い止まってしまう
妻は初めからそれを見越しており、勝ち誇ったかのように笑みを浮かべる
絶望した領主はその場で自害しようとした
するとその場にあったベヘリットから悪魔が呼ばれて飛び出てじゃじゃんじゃーん
領主は悪魔に「この悲しみから解放してほしい」と願う
悪魔は領主を心身共に怪物へと変えることでその願いを叶えた
怪物化した領主は自らの手で妻を惨殺し、生け贄として捧げたのだ

母の死の真相を知った娘は泣き叫ぶ
悪魔は再度、娘を生け贄に捧げると宣言するよう領主に促す
悪魔「このままだとお前は死んでしまねんで!?死ねば地獄に落ちるんやで!?」
だが領主は沈黙を続け、そのままポックリと息絶えてしまう

全てが終わった後には、人間の姿に戻った領主の無惨な死体が残されていた
娘は絶望し、「死んでしまいたい」と呟く
するとガッツが娘を罵って侮辱する(うろ覚え)
激おこした娘はガッツを睨み「いつかお前を殺してやる!」と泣き叫ぶ
ガッツはなんか皮肉っぽいことを言い笑いながら立ち去る

娘は妖精に「これからも私の側にいてほしい」と泣きながら懇願する
しかし妖精は「ガッツを放っておけない」と言ってガッツの後を追う
妖精は娘の件でガッツに文句を言おうとし、ガッツの正面に回り込む
娘の前では気丈に振る舞っていたガッツだったが、背を向けてからは顔を歪ませて泣いていた
妖精はそんなガッツに何も言えず、ただ寄り添ってついていった

出典: 後味の悪い話 その154