226: 妹は二重人格だった 2015/03/13(金) 14:12:06 ID:RJ2v.iIg
中学生の頃、妹は二重人格だった。
なんでも、火を見ると「影羅(エイラ)」という魔族の人格が現れるそうで、
真っ暗な部屋の中で唐突にマッチを擦っては、
「……ヘヘ、久しぶりに外に出られた。この小娘は意思が強すぎて困るぜ(笑」
などと乱暴な口調で叫んだりしていた。
なんでも、火を見ると「影羅(エイラ)」という魔族の人格が現れるそうで、
真っ暗な部屋の中で唐突にマッチを擦っては、
「……ヘヘ、久しぶりに外に出られた。この小娘は意思が強すぎて困るぜ(笑」
などと乱暴な口調で叫んだりしていた。
ある日、夕食の時に「影羅」が出たことがある。
突然おかずの春巻きを手掴みでムシャムシャと食べ始めて、「久々の飯だぜ(笑」と言った。
「こんな女の子に取り付いて、自分の結界を広げてたのかい、この小悪党め!!」
突如現れたのは寺生まれで霊感の強いTさんだ。
「破ぁー!」と叫びまばゆい光を妹に浴びせた。
妹は苦しみもがいて、口から黒いもやのようなものを出した。
黒いもやは光を浴びて苦しそうに身じろぎしたあと、消滅した。
食べ物関係のジョークを一切許さない母が、
Tさんの頭にゲンコツ振り落とすとTさんは涙目になっておとなしくなった。
それ以来、食事時にTさんが出たことは無い。
そして影羅とやらは、その一件以来パタリと出なくなった。
最近になって、大学生になったTさんにその頃のことを尋ねたら、
クッションに顔を埋めて、手足をバタバタさせてのた打ち回っていた。
「こんな女の子に取り付いて、自分の結界を広げてたのかい、この小悪党め!!」
突如現れたのは寺生まれで霊感の強いTさんだ。
「破ぁー!」と叫びまばゆい光を妹に浴びせた。
妹は苦しみもがいて、口から黒いもやのようなものを出した。
黒いもやは光を浴びて苦しそうに身じろぎしたあと、消滅した。
食べ物関係のジョークを一切許さない母が、
Tさんの頭にゲンコツ振り落とすとTさんは涙目になっておとなしくなった。
それ以来、食事時にTさんが出たことは無い。
そして影羅とやらは、その一件以来パタリと出なくなった。
最近になって、大学生になったTさんにその頃のことを尋ねたら、
クッションに顔を埋めて、手足をバタバタさせてのた打ち回っていた。