804: 本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/11/19(火) 01:23:46.06 ID:w+DSSrS+0
僕は同じクラスのA子という子が好きだった。 
A子は成績もよく美しく、そして誰よりも優しい子だった。 
それに対して何のとりえもない僕。 
告白する勇気なんてなかった。 
仮に告白したとしても口下手な僕じゃなにも伝えられないだろう。 
彼女に対する気持ちを悶々と抱えながら日々を過ごしていた。 

そして気付けば卒業まで後数ヶ月と迫っていた。 
彼女に何も伝えられないまま終わる。
そんなのはいやだせめて気持ちだけでも伝えたい。
そう思い僕は彼女に告白する決心をしたのだ。
口下手な僕が彼女に告白する方法、それはラブレターしかない。
そして僕はありったけの想いを一枚の手紙に込めた。

手紙を書き上げた次の日、僕は緊張と興奮と不安で頭の中がいっぱいになりながら学校に向かった。

805: 本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/11/19(火) 01:31:30.05 ID:w+DSSrS+0
僕は気付けば学校にいた。
教室に入り彼女を見つけるも友人と談笑しているために声をかけづらい。
彼女が一人になった時に声をかけようと思ったがなかなか一人にならない。
しばらく様子を見ていると彼女が席をたった。
今しかない!
そう思い彼女に声をかけようとしたその時
「そこまでだ!」
そう叫びながら誰かが掃除用具入れから飛び出し、僕の方に右腕をつきだした。
「破ァッ!!!!」
突如突き出された右腕から青い光の弾が放たれ僕の体を吹き飛ばす。
何事が起きたのかとやっとの思いで体を起こすと目の前には近所で有名な寺生まれのTさんがいた。
「自分の体をよく見てみろ。お前はもうこの世のものじゃない。」
そう言われて自分の手のひらを見てみると薄っすらと透けていた。
そこですべてを思い出した。

あぁそうだ僕はあの日、登校している時に事故で死んでしまったのだ。
しかしこの手紙さえ彼女に渡せればきっと悔いもなくそのまま成仏できたのに何故邪魔をするんだ。
消えゆく自分の体を見つめながら、人の恋路を邪魔する寺生まれは馬に蹴られて死んでしまえ、そう思っ
「確かに手紙を渡せばお前は満足して逝けるだろう。だが、渡された彼女は死んだはずのお前の想いを一生背負って生きていかなければならない。本当に彼女のことが好きなら彼女の幸せを願ってやれ」

僕には真似出来そうにない男らしい表情をしながらそう語るTさんを見て寺生まれってすごい、そして次に生まれてくる時はこんな男になりたい。まばゆい光に包まれ薄れゆく意識の中で改めてそう思った。


806: 本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/11/19(火) 02:33:36.16 ID:KhmvLPEQ0
薄れゆく意識の中で最後に目にしたのは、Tさんの手に握られたA子宛てのラブレターだった

807: 本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/11/19(火) 04:12:21.03 ID:w+DSSrS+0
>>806
実はA子はTさんに惚れててそのまま二人は夜の街へと消えていったのを唖然と見つめながら僕の意識は消えていった。
こんな感じのオチのほうがTさんっぽい気はしたのですがあまりにも報われなさ過ぎてやめました




出典: 【寺生まれって】Tさん 3破ぁ!!目【スゴイ】