623: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/12/30(火) 16:46:05.93 ID:uO3tmU7nO.net
花輪和一「蓮(はちす)邸」 

舞台は中世の日本。 
主人公は大工の父と暮らす娘。 
「お父、蓮邸に早く入りたいだろ」 
「ハハハ何を言う、お前を嫁に出して孫の顔を見るまで頑張るぞ」 
(もう、お父ったら意地っ張りなんだから…早く楽させてあげたいわ) 

蓮邸では老人を引き取って面倒を見ている。家族は年4俵の米を納めなくてはならないが。 
(やったわ、米の代わりにあたしが奉公すればお父を引き取ってくれるって♪)

父はつらい大工仕事をやめて蓮邸に引き取られたが、まだまだ働けるからここから出してくれと言っている。
蓮邸に来た老人はまず、泥の中から花を咲かせる蓮を見習い泥身界で修行する決まりだ。
庭に掘った、立てば頭が格子でつかえ、座れば口まで泥に浸かる穴が泥身界。
父はすっかり狂ってしまい、おとなしい基地外になった。
「御覧なさい、お前のお父は蓮になったのですよ」

泥身界のあとは、極楽へ這い上がる腕力を養う為の手づかみ界。
泥身界で狂ったジジババを雑居させ、食事の時間には薄い粥を流しそうめんのように竹筒に流し、それを手づかみで食うのが手づかみ界。

娘は蓮邸で夫と出会い、子宝に恵まれた。
手づかみ界でも子供が生まれた。はっきりとは描かれてないが、きっと父の子だ。
「役に立たないジジババを一緒にしたら枯れ木に花が咲いた。この子たちを子供のいない夫婦に差し上げれば、蓮邸はますます感謝されます」
娘は自分の子は自分で育てたいと願い出、許された。
「そういやお父、孫の顔を見たいとか言ってたな」
「そんなもの見せたって無駄ですよ、この人は極楽しか見ていない」
「あ、そっか」
こっそり舌を出す娘。
父は蓮邸裏の鬱蒼とした山に蹴り出された。終。



625: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/12/30(火) 21:38:05.41 ID:HPoFxiIa0.net
映画のアイアンマン3の敵の黒幕が悪ちした原因が主人公のせいで後味悪かった
主人公のトニー自身「私は知らず知らずの内に怪物を作り出してしまった」って独白してて自覚あるみたいだし

トニーは天才科学者で大企業の社長
元々は死の商人として兵器開発をやっていたけど、あることを切っ掛けに心を入れ換えて方向転換辞して、独自に開発したアイロンアーマーを着て平和維持活動やヒーロー活動をすするようになった

そんなトニーが改心するより以前の、ある大晦日の夜
トニーは女性を連れてホテルの一室へと向かっていた
そこへ一人のオタクっぽい風簿の青年が現れ、トニーに絡んでくる
青年は天才科学者であるトニーの熱烈な大ファンで、「二人で科学の話がしたい」と言う
トーは「屋上で待ってろ。5分後行く」と言って青年をあしらって追い払った
その後トニーはホテルの部屋で女性とベッドイン

トニーが部屋でヌクヌクしてる間、青年はホテルの屋上で寒空の下で凍えながら待っていた
5分が過ぎ、20分が過ぎたが、それでも青年はトニーを信じて待ち続けた

やがて一時間が経ち、青年の希望は絶望に変わっていった
青年は自殺を決意する
恐る恐る屋上の縁へ近付き、下を見下ろ
その瞬間、年が明け、人々は新年を祝い始めた。華やかな音楽が流れ、美しい花火が打ち上げられる
「僕が絶望して自殺しようとしていても、この世界の誰も気付いてくれない……」
その絶望的な事実は、むしろ青年に新しい生きる希望を与えた
「僕が何をしていても、誰も気付かない。これは僕の能力なんだ。闇に紛れていれば僕は何でも出来るんだ」
 
結果、青年はテロ組織を裏から牛耳る影のボスに成った

出典: 後味の悪い話 その154