エイプマン


673: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/03(水) 13:31:39.69 ID:EjmOyY5D0.net
柴田昌弘「エイプマン」 

新種の病原菌によって人口が減った未来。 
底辺労働力を補うため、人とサルのハイブリッド生物「エイプマン」が生み出された。 

ヒロインは上流階級の我儘なお嬢様。屋敷の執事やメイド、学校の掃除夫等、 
身近で働くエイプマンを憂さ晴らしに虐待するが、 
行動は絶対服従しながらも精神的には屈する様子を見せないエイプマン達に微かな不安を覚える。 

退屈を持て余していたある日、ヒロインは下層階級が住む下町に興味を覚え、級友達と探検に出掛ける。 
下町は彼女達の知らない珍しいものばかりで楽しく過ごすが、初めて見るタコ焼きを
「不潔」と口走ったため、激怒したタコ焼き屋に袋叩きにされる。
怒りの余りタコ焼き屋が自ら剥ぎ取ったマスクの下は、エイプマンの顔だった。
ヒロインは、遺伝子レベルで人間への服従を刻まれている筈のエイプマンが人間である自分達を殴り、
周囲の人間達が止めるどころか声援を送る姿を見て混乱する。

このままでは殴り殺されるというところで執事とメイドが駆け付け救出されるが、
執事は「あなた達が抜け出したので“全市民”にマスク着用の命令が出た」と告げる。
つまりあの場に居た全員がエイプマンだった。

実はエイプマン誕生後も人間の人口は減り続け、絶滅寸前の状態になっており、
エイプマンは人間達の社会を引き継ぎ、今では人間よりも発展した新しい文明を築きつつあった。
だが社会を運営するエリート層は、他人を使い命令するという本能に反する仕事をしているため、
ストレスが溜まる。そのため彼等は主人である人間に虐待される事で、ストレス解消を図る必要があった。
ヒロイン達人間はその為に生かされており、傲慢な性格に育つように条件付けをされているのだった。

自分達が支配者どころかサル(エイプマン)に飼われ躾けられていたのだと
知ったヒロインは絶望の余り自殺を図るがその場で捕まり、麻酔を注射される。

執事は言う。「これで記憶を操作すれば、二度と抜け出そうとは考えなくなる」
「君にはまだまだ、我儘で傲慢な“お姫様”で居てもらわなくてはね…」

680: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/03(水) 23:23:52.26 ID:CItPaLSu0.net
THEエイプマンおもしろそうやな

678: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/03(水) 22:20:38.13 ID:euPwqYCD0.net
主人公は犬。
前世は亀かなんかで、雲の上で「神様」に来世は犬にしてほしいと頼む。
犬はいつも人間に優しくされているから。
どの犬になりたいかと「神様」に聞かれ、優しそうな家族に囲まれている犬になることを選択し生まれ変わる。

そして雲の上で見た家族に拾われ大切に育てられる。
しかし大きくなるにつれ温かく快適な部屋から庭の犬小屋へと移されたり、餌も柔らかくて美味しかった缶の餌から固いドッグフードに変えられたり、病院で無理やり注射を打たれたりと犬にとって気に食わないことが増えていった。

そんな時、母親(人間の)にシャワーで体を洗ってもらって上機嫌になった犬だったが、洗い終わったあとのドライヤーが苦痛だった。
熱くて痛いのに止めてくれない母親に、とうとう犬は牙を剥いてしまう。

それからパニックになった犬は庭に逃げる。
家族たちは犬を刺激しないようにおもちゃやお菓子を手に優しく話しかけてくれる。

それは犬が雲の上で見た優しい家族に囲まれている光景そのものだった。
しかし犬はこのままではいけないと道路へ飛び出す。
僕の運命はもっと幸せなはずだ。あんな、美味しくないご飯や寒い庭、痛いことを与えるなんて僕の家族じゃない。僕は間違っていない。そうですよね、神様。
雲の上からは、神様がそうだと言ってくれた気がした。

そして大分走った犬は見知らぬ住宅街で立ち止まった。
濃紺の空を見上げても、神様の声はもう聞こえてこなかった。

681: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/03(水) 23:26:35.41 ID:CItPaLSu0.net
優しく囲んできた家族に気を許したら一転、保健所送りってオチかと思ったッス
そんな風に地味に切ない方が後味悪いかもね

682: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/09/03(水) 23:28:25.98 ID:OORagha00.net
日々の幸せを忘れないことが大事とか、
幸せも日常になると麻痺してもっともっとと強欲になるってこととか、
周りの人の自分への優しさも自分本位な物の見方だと気づかないとか、
所詮は犬畜生の浅はかさとか、
失ったものは戻らないとか?

出典: 後味の悪い話 その152