宮大工シリーズ終わってしまったヽ(´Д`;)ノアゥア...

でもまだ宮大工シリーズが読みたい私のために、沙織さん(様?)のシリーズをまとめました。

全13話(実質的なエピソードとしては5話)。

宮大工さんのスピンオフ的な感じ?
オオカミ様のお社を、なぜ少年が護っているのかとか、沙織さんが見た詩織姉さんとの夢の話などなど。

位置付けとしては、宮大工さんを直接知ってる(もちろん沙織さんも会ってる)作者さんが、沙織さんに聞いた話を編集して投稿、といった感じなのかな。
まー、本当かどうかはどうでもいいんです!面白ければ!

もうちょっと宮大工さんの世界に浸っていたい方は、是非どうぞ! 

 
■宮大工シリーズ




沙織様シリーズ

お伽話 | 千本鳥居 | 守護卯神 1 | 守護卯神 2 | 守護卯神 了 | 暴れ護神 1 | 暴れ護神 2 | 暴れ護神 3 | 暴れ護神 了 | 鬼討神爪 1 | 鬼討神爪 2 | 鬼討神爪 3 | 鬼討神爪 了


第1話:御伽噺 
はるか昔、天界におわす大神様に仕える少女がおりました。 
大神様は天界を統べる光の神であり、大いなる慈悲の心と厳しい律の心を併せ持つ偉大な方でした。 
少女は幼き頃より大神様の教えを受け、厳しい修行を受けてきたのです。 
そして、その少女を見守る青年が一人。 
彼は少女の幼馴染であり、本当の兄妹の様に一緒に育ってきました。 
そして、彼と少女は伴侶としての運命を持ち、行く行くは大神様の為に二身一体となり力を尽くす事が決まっていたのです。 
二人はそれを当然のように受け止め、励まし合いながら修行をしておりました。 

青年は優れた能力と深い心を持ち、若くして大神様の右腕となりました。 
そして、少女も修行を終え、しばらくの間とある地方を守護する事になったのです。 
その守護はとても長い期間ですが、それを無事に終えれば、青年と少女は伴侶となり、大神様に仕える事が出来ます。 
少女は少年と誓い合うと、旅立っていきました。 

そして、悠久なる時が流れました。 
流れる時間の中で下界の人々は祈りと感謝を忘れ、少女が拠代とした社からも神主は居なくなり、社は少しづつ朽ちていました。 
それでも少女はごく稀にやってくる人々の為に精一杯心を砕き、そこに在りました。 
そんな時、いよいよ朽ち果てようとした社に一人の男がやってきました。 
彼は希望に燃える目と心、自らの仕事に対する熱い責任感と誇りを持ち、朽ち掛けていた社の修繕に掛かりました。 
鳥居を潜る度、きっちりと礼をし、そして寝る間も惜しみながら、夢中で社を修繕してくれるその男に少女は深く感銘を受け、またとても嬉しく思いました。 
それ以来、少女の心は少年よりも、そして大神様よりもその男によって占められてしまったのです。 

しかし、少女の心に気付いた大神様は怒り、少女に罰を与えました。 
少女の社は崩され、少女は呼び戻されてしまったのです。 
少女は大神様の元で閉じ込められ、そして毎日泣きながら男を想っておりました。 
そんな少女を悲しげに見守っていた青年は、少女に問い掛けました。 
そんなに、あの人間の男を愛しているのか、と。 
我々が瞬きする間に年老いて死んでいく人間の男で有るのに、と。 
少女は青年に心から謝りながら、例え幸せな時間が一瞬で終わろうとも、 
男と共に生きられるなら悔いはない事を伝えました。 
青年はそれ以来、少女の前から姿を消しました。 

その日は、晃さんと優子さんが遊びに来ており、御節を囲んで楽しく談笑していた。 
その際、優子さんの実家の話になり、例のお稲荷様に話題が及んだ時、沙織様が想い出した様にこんな話を始めた... 

「私が中学生の春、家族で京都へゆっくりと旅に行きました。私は幕末と寺社が大好きで(笑)、京をゆっくりと見て回りたいと、父におねだりして連れて行って貰ったのです。 
八坂さん、清水、銀閣...有名な所はほとんど廻り、泊まる宿も父が奮発して京都一と言われる老舗の風情ある宿で、とても良い気分で京都を満喫しておりました。 

そして、何日目かに稲荷様の総本社である伏見稲荷へと参ったのです。 
本殿に参拝した後、あのずらっと鳥居が並ぶ千本鳥居を、私が先頭になって進んでいるうち、いつの間にか 
ついて来ている筈の父と母の姿が見えなくなってしまいました。 
戸惑った私が立ち止まり、父母の姿を探して振り返っていると、どこからかヒソヒソと話し声が聞こえます。
耳を欹てると、 
「なんだか怖いひとが来たよ...」 
「でも、今は怖くないみたいだよ...」 
「ためしてみようか...?」 
等と何人かで話をしている様です。 
私は不思議に思い、 
「誰か居るんですか?」 
と声を上げてみました。 

私が小学生の冬のお話です。 
長野県の山奥に有る温泉へ両親に連れられて旅行に行きました。 
そこは歴史有る温泉なのですが、同時に 
様々なモノが棲む所でも有ったのです。 
当時、私自身、自分が不思議な現象に多く遭遇する事に気付いた頃で、 
なぜ自分がそんな事になってしまったのか 
ちょっと悩んでいる時期でも有りました。 

旅行の初日、深く積もった雪道を踏み越えその温泉地の中で 
最も古くから営業している風格有る旅館に投宿し、 
早速父に連れられて大浴場に行きました。 
大浴場は更衣室こそ男女に分かれていますが、 
中に入ると混浴となっています。 


私は首ほどまで浸かってしまう湯船に入り、鈴の音がする方へ向かいました。 
そして、湯船の中ほどまで来た時、ハッと我に返ったのです。 
その時、鈴の音が止み、不気味な男の顔が覗きました。 

「キキキキキキ・・・」 

その男は口を歪め、しゃがれた不気味な声で笑いながら 
湯船の縁に手をかけてずい、と体を起こしたのです。 
その体は針金のようで、信じられないほど細く長く、そして足は有りません。 
また、手も体の様に細く長く、三本の鍵爪の様な指が付いていました。 
「きゃあっ!」 
私は悲鳴を上げて逃げようとしましたが、深い湯船の中なので 
上手く身動きが取れず、もがくばかりです。 
後ろを振り返ると、男が長い手を私の方へ伸ばして来ていました。 

「****の子だぁ・・・喰いたいヤツは出てこぉい・・・」 

ふんふんと鼻を鳴らし、口をもぐもぐさせている二羽のウサギを 
両手で撫ぜていると、私はだんだんと眠くなってきてしまいました。 
そして、うとうとし始めた私にパンダウサギの鼻がふんふんと 
近づいてくるのを感じながら私は眠りに落ちていきました。 

「沙織、沙織・・・」 

私の父は旅行好きで、長期休みには様々な所へ旅行に連れて行ってくれました。 
父は車好きでもあったので旅行はかならずドライブで、北は北海道から南は沖縄まで愛車に私と母を乗せて旅しました。 
このお話は、夏休みに北海道へと出かけたときのお話です。 

その日、私達は夜遅く北海道へと向かうフェリーに乗り込みました。 
父がフェリーでもゆっくりしたいからと家族で個室を取ったので、父が車を列に並べ、待機している間に私と母は先に部屋へと入りました。 
初めて乗る大きな船にはしゃいだ私は父が来るのを待つ母を残して、船内の探検に出掛け、あちらこちらと歩き回りました。 
そして後部甲板に出た時の事です。 
私は背筋に冷水を浴びせられた様な感覚に襲われました。 
そして、甲板の縁からたくさんの視線を感じ、はっとそちらに目を向けたのです。 
しかし、そこには何も居らず、ただ暗闇が蟠っているだけです。 
私は急いで船内に引き返し、部屋へと戻りました。 

込んでいる為に父はまだ上がってきておらず、私は母に抱き付きました。 
「どうしたの、沙織?甘えん坊さんね」 
母を心配させるのがイヤだった私は何も言わず、ただぎゅっと抱きついていました。 
上がってきた父は船内の大浴場へと向かいましたが、私は怖かったので母と一緒に狭いシャワー室で汗を流し、父が帰って来るのを待たずに眠ってしまいました。 

どれくらい眠ったでしょうか、私は眩しい朝日で目を覚ましました。 
窓の外にはキラキラ光る海が見えます。 
ほっとした私は眠っている父と母を残して船室を出ました。 
明るくなったのでもう大丈夫だろうと思い、気になっていた後部甲板に向かいます。 
早朝なのでまだしーんとしているロビーを抜け、後部甲板のドアを開けた瞬間。 
今まで明るかった空は漆黒の夜空となり、光っていた海は重油の様な黒い水面をゆらゆらと揺らせていました。 

「ええっ!?」 

風を巻いて跳躍した二羽の巨大なウサギは亡者達を跳ね飛ばしながら、甲板を跳ね回り、時には強烈な蹴りで亡者を弾き飛ばしました。 
ウサギ達にやられた亡者はバラバラになって倒れ臥し、苦痛の呻き声を上げていますが、少し経つとふっと消えてしまいます。 
甲板上はまるで戦場の様相を呈していますが、不思議と物音はほとんどしません。 
聞こえてくるのは倒れた亡者の呻き声と海を渡る風の音だけでした。 

「ブモオオオオオオオ!!」 
猪は一声吼えると、甲板上に溢れんばかりに上ってきている亡者に向かって突進していきました。 
そして、片っ端から亡者を跳ね飛ばして行きます。 
始めは猪に向かっていこうとしていた亡者達も、凄まじいまでに荒れ狂う猪に恐れをなして逃げ惑い、 
次々に海へと飛び込み始めました。 
しかし、猪は海に飛び込もうとしている亡者までも跳ね飛ばし、またその鋭い牙で切り裂き、蹄で踏みつけています。 
更に、亡者を振り払い私の方へ跳躍しようとしたラビちゃんまでも弾き飛ばしてしまったのです。 

その後、北海道旅行は楽しく進みました。 
ただ、とある神居古譚にて不可思議な体験をしたり、摩周湖近くに有る神の子池で羆の神と出合ったりしましたが、それはまたの機会にお話します。 

私はこれ以降に猪神には数度助けられるのですが、彼はいつも怒っていました。 
しかし、もう一体の猪神は彼と違い、私に優しく接してくれましたが。 

時が過ぎ、私が○○様(宮大工氏)と再会し、神だった時の意思を取り戻した時。 
あの猪神と私の関わりの記憶も戻りました。 

私(沙織様)が中学生の時の事です。 

父に連れられて中国地方へとドライブ旅行に出掛けました。 
当時、父は買ったばかりの大型ワンボックス車でのキャンプに嵌り、今回も日程中の宿泊の半分はテント、もしくは車中泊となり、私は結構楽しみでしたが母は少々うんざり顔でした。 
鳥取砂丘でキャンプした後、海岸沿いにゆっくりと走り、東郷温泉でゆっくりし、そのまま大山の周りの景色を楽しみながら走り、大山のふもとで車中泊をする為にトイレの有る駐車場を見つけました。 
食事も済ませ歯も磨き、十時頃には車の中で家族全員寝息を立てていました。 

ズン…ズン… 

なにか、地響きの様な音で目を覚ました私は寝袋から身を起こし、寝ぼけ眼を擦りながら窓のカーテンを開けました。 
外は月明かりが煌々と輝き、青白い光の中に大山のシルエットが大きく黒く浮かび上がっています。 

「ぶるるる・・・」 
猪神は逞しい首を一振りし、牙に引っ掛かっていた鬼の舌を振り飛ばしました。 
「・・・暴れ猪だぁ・・・」 
「ヤツは手強いぞぅ・・・」 
鬼達は猪神の出現に怯んでいます。 
”霞(かすみ)様、ご無事ですか?” 
妹猪の声が私の精神に響きます。 

「ぐるるるる・・・」 
そそり立つその威容に鬼達は驚き、ざわめいています。 
奮闘していた猪神達も驚き、戦が、いえ時間さえ一瞬止まってしまった様でした。 
”・・・あれは・・・陸奥の女王・・・” 
猪兄の意識が響いてきます。 
陸奥の女王・・・? 
その時の私には何のことか解りませんでしたが、 
猪兄の様子からそのツキノワグマが只者ではない事を感じました。 
いつの間にかピョンちゃんに乗った私の側に仔熊がヨチヨチとやって来て、 
私に鼻を近付けてペロペロと舐め始めました。 
その時、私の精神に声が響いたのです。 
 
その後、私は14歳あたりを境に自分自身の力を自覚し、 
徐々に制御出来る様になって来ました。 
それに伴い、怪異現象が起きても対処出来るようになり、 
私が16歳の時にラビちゃんとピョンちゃんは朧の元へ戻り更なる修行を積み、 
猪兄も朧の元で守護と修行の日々に戻りました。 
また、母熊神は今まで通り悠久なる時の中での守護神として陸奥を見守っています。 



抜粋だから、別サイトに飛んで見ていただくわけだけども、また面白い記事用意しとくからさ、ここにも戻ってきてよね?