204 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/05/18 02:54
1/6 
私が学生だった頃の話です。 

友人が親元を離れ、一人暮らしをすることになりました。引越しの手伝いをし、 
そのまま泊りがけで飲み会をしようということになり、早速手伝いに行きました。 
新居は古い木造アパートで、四畳半の台所と六畳の和室、それにユニットバスと 
いう造り。目の前は空き地で、風の通りは良いのですが、夏は薮蚊が多そうだな、 
などとのんびりと思っていました。 

日中は引越しの片づけを手伝い、夜になって飲み会が始まりました。飲み会とは 
いえ、まだ引っ越した初日です。一応回りの住民にも気遣って、そんなに馬鹿騒ぎ 
をすることも無く、集まった数人でまったりと話をしながら時を過ごしていました。 
何の話をしていたのか、もう忘れてしまったのですが、別に怖い話をしていた訳で 
もありません。しかし、話をしながら私はあることに気が付きました。 

205 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/05/18 02:56
2/6 
 この家は古い木造アパートだけあって、部屋の電灯が蛍光灯ではなく電球で 
した。そのため部屋には陰影があり、話している私たちの姿も壁にぼんやりと 
影が浮かんでいます。その影が、多いのです。光の加減で影が二重になることが 
あるので、そのせいかとも思ったのですが、影の位置は私たちの間にあり、まる 
で一緒に話を聞いているようでした。 

 こんな影の居る家に越してきた友人が気がかりでしたが、引越し初日にそれを 
言って無駄に怖がらせるのも悪い気がして、翌日何もこの事は話すことなく帰宅 
しました。 
 その日の夜、この事が気がかりだったせいなのか、夢を見ました。 
場面は友人の家。時刻は夜中。昨夜と同じ状況で、電球の明かりの下、友人達 
と話をしている自分。そして視線の先には昨夜と同じように一つ多い壁の影。 

206 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/05/18 02:58
3/6 
夢の中の影は私がじっと見ていると、そのうちゆっくりと左右に揺れ始め 
ました。まるで私に見られている事に気が付き、私を挑発するような動き 
です。影からは悪意が感じられ、私は後悔していました。あの影の存在に、 
気付かなければ良かったのに。 

ふと周りを見回すと、友人達はいつの間にかおらず、この部屋には私と影 
だけが残っていました。影は、最初は人の形を保っていたのですが、揺れて 
いるうちに形を変え、四つん這いになっていきます。なにか、動物の思念の 
集合体のように私には感じられました。 
それも邪念を持った集合体。 
私は逃げ道を探し、じりじりと後ろに下がってゆきます。六畳の狭い部屋 
の中、正面に影の映る壁。左横が窓。右横が四畳半の台所と玄関へ続く 
障子戸。背後が正面と同じくざらざらとした質感の、昔ながらの素材の壁。 

207 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/05/18 02:59
4/6 
来るな。来るな。来るな。来るな。来るな。 

心の中で祈るように呟きながら、後ろに下がる私。影は揺れながら壁から 
離れ、立体となって私に近付いてきます。 
後もう少しで壁に背が付いてしまう。 
もう駄目だと思った瞬間、私の背後の空間が急に広がりました。壁面が 
消え、その代り、私の家の自分の部屋が現れたのです。自分の部屋の、窓 
がある面がそのまま友人の部屋の壁面に替わったのでした。 
これで逃げられる。 
そう思った私は急いで窓から自分の部屋へと入り込み、ガラス窓を閉め 
ました。私が自分の部屋に逃げたことを、影に知られたくなかったのです。 
が、閉める瞬間、影と目があったような気がしました。 

208 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/05/18 03:01
しまった。繋がってしまった。 

何がどう繋がったのか、そんな論理的なことは考えられませんでした。 
ただ、「繋がった。」と思った瞬間、私は一気に覚醒しました。一気に現実 
の世界に戻ったのです。 
が、目が覚めた途端、私の耳にガラス窓を叩く音が聞こえました。 

コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン・・・。 

風で木の枝が当たった等という音ではありませんでした。明らかに規則的 
なノックの音。 
体は金縛りに合い、動けません。繋がったのは、友人と私の部屋。そして 
あの世とこの世の事だったのでしょうか? 

私は恐怖のあまり失神したようで、次に気がついた時には朝になって 
いました。が、しばらくの間、夜になると金縛りにあって窓を叩く音が 
聞こえるという現象は続きました。 

209 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/05/18 03:02
6/6 
その後ですが、結局影は窓を開けて私の部屋に入ってくるまでのことは 
出来なかったようで(それでも十分恐怖でしたが)、しばらくすると諦めた 
のかこの現象は終わりました。件の友達にはそれと無く様子を聞いてみた 
ところ、 
「うん。何か居るようで、時々勝手に電気がついたり扉が開いたりするよ。 
でも、気にしないから別に平気。」 
とあっさりと返されてしまいました。気にしなければただの影やポルター 
ガイスト程度で済んでいたものを、必要以上に意識しすぎて、私の家(の外側) 
にまで呼び寄せてしまった。ということでしょうか。 

以来、人以外の「何か」を見た時にも、必要以上に興味を持ったり怖がったり 
はしないように、押さえるようになりました。

洒落にならないくらい恐い話を集めてみない?Part38