841 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/04/18 15:11
いま怖い話するのはスレ違いですか? 
空気読まんといかんとですか?(w 

えーっと前スレかな?空き家を探検したら地下室に人形が・・・みたいな話。 
あれを読んで思い出したことがあって、それをカキコしようと思ってまとめてたら、 
なんか話がふくらんじゃって、長文になったんですけど書いて良いもんですかね? 
200行くらいあるんですけど・・・ 

845 名前:841 ◆O2uqqje66g 投稿日:03/04/18 15:15
小学生の頃、俺は友達と2人で廃屋探検に行きました。 
ターゲットは町内でも田舎な地域にある家で、結構新しいのに無人。 
前の住人が自殺したとか殺されたとか、そういう噂が立っている所でした 

学校が終わってすぐ、その家へ向かう段取りだったのに、 
俺が職員室に呼ばれて説教を食らっていたせいで、出発がずいぶん遅れました。 
しかもコンビニ寄って立ち読みしてたりで、現場に到着したのは夕方6時頃。 
広い産業道路沿いの一角に塀に囲まれた一軒家です。 
周囲の空き地はススキが茂り放題で、いかにも空き家って雰囲気。 
俺は「遅くなると怒られるよなー」とチキン入ってたんですが、友達はやる気満々です。 

軽々と塀を乗り越えた友達は、早速玄関のドアをガンガン引っぱりました。でも開かない。 
二人で手分けして入る所を探したんですが、窓は雨戸用のシャッターが閉まっているし、 
裏口にはカギが掛かっているしで、とても入り込めそうにありません。 
この時点で俺は半分諦めてたんですけど、相変わらず全力投球な友達に気を遣い、 
一応やる気のカケラぐらいは見せておこうっていう軽い気持ちで、 
「引いてダメなら押してみろってな」 
なんて言いながら玄関のドアを押してみました。 
すると、信じられないことにあっさりと開きやがったんです。 
「マジか!ウッソやろぉ!」 
友達がダッシュで駆け寄ってきました。ボルテージは最高潮です。 
「これは何かあるでぇ・・・」 
などととつぶやきながら、余裕の土足で上がり込んで行きます。 
しかたなく、俺も後から家の中に入りました。 

847 名前:841 ◆O2uqqje66g 投稿日:03/04/18 15:16
初秋で外は結構明るかったのに、家の中は薄暗い、と言うよりほとんど真っ暗でした。 
俺の持ってきたキーホルダーの豆球が頼りです。探検ムードは盛り上がるばかり。 
「うわ!」 
突然、ある部屋の入り口で、先行していた友達が後ろに飛び退きました。 
恐る恐る中を覗くと、部屋の真ん中に人影が立っていました。 
俺らとタメぐらいの子供が、懐中電灯を持ってこっちをジーッと見ています。 
白っぽい服を着た、見慣れない顔の女の子でした。 
「お前、誰や?」 
友達が聞きました。でも、返事はありません。 
「なにしてるんや。」 
今度は俺です。 
「探検。」 
その子がポツリと言いました。 
「何時ここに入ったんや?」 
また友達が聞きましたが、女の子はそれを無視して 
「ここはまだ入り口なの。でもこの奥に・・・」 
と、そこで言葉を切り、部屋の奥にあるドアを指さしました。 
「一緒に行きましょう。」 
それを聞いた友達は、その扉に向かって突き進んで行きます。 
俺は気味が悪かったけど、仕方なくあとに続きました。 
女の子が俺の後ろからついてくる気配がしました。 

849 名前:841 ◆O2uqqje66g 投稿日:03/04/18 15:17
ドアを開けると、机と椅子が置いてあるだけの書斎みたいな部屋でした。 
別に変わった感じはしません。 
「なんも無い、フツーの部屋やな。」 
友達が言いました。 
「残念~」 
突然、女の子が妙に明るい声を出し、俺はなぜかゾクっとしました。 
「ここのアイテムは私がゲットしましたぁ~」 
そんな風に言って、ポケットから写真を何枚か取りだしました。 
「なんやそれ?」 
「壁に貼ってあったの。」 
そう言って見せてくれた写真は、おっさんが何人か写ってる写真でした。 
ただ、どの写真も背景がべったりと黒一色に塗りつぶされていて、それが不気味でした。 
「うふふふ・・おかしな写真よねッ」 
女の子の妙に明るいノリも気になります。 
「次はこっちよ。」 

俺たちは、女の子に引っ張られる形で家の中をうろつきました。 
どの部屋もほとんど真っ暗なんで、俺の小さいライトで届く範囲しか見えません。 
女の子はなぜか懐中電灯を点けようとしない。 
それでも目が慣れてくると、なんとなく様子がわかるようになってきました。 
なんて事のない、普通の部屋ばっかりでした。 

850 名前:841 ◆O2uqqje66g 投稿日:03/04/18 15:18
いい加減飽きてきて、「もう帰ろう」と言いかけたところで、 
廊下の突き当たりのドアの前に来ました。そのドアが変です。 
よく見ると、ドアの上の方、ちょうど小窓がありそうな辺りに 
分厚い木の板が釘で打ち付けてあります。ノブの所には蝶つがい式の鍵と南京錠。 
まるで、何かを閉じこめているような様子です。 
南京錠は外れていたんで、俺が鍵を外してドアを開けました。 

長い廊下が先に続いていました。 
両側は板が打ち付けてあるばかりで、外の様子は全然見えません。 
「渡り廊下かな?」 
俺、友達、子供の順で暗い廊下を先に進みました。 
俺の後ろには友達がいるはずなのに、気配をあまり感じません。 
ずいぶん離れて、女の子が付いてきているようでした。時折、後ろから声が聞こえます。 
妙に浮かれた口調で何か喋っていますが、内容はわかりません。 

突き当たりにドアがありました。 
さっきのと同じようなドア。小窓に板が打ち付けてあって、鍵も付いています。 
ただ、こっちの鍵は引きちぎられたように壊れていました。 
それを見た時に感じたのは、ものすごくイヤな予感です。 
それなのに、俺は一気にドアを開けたんです。 

851 名前:841 ◆O2uqqje66g 投稿日:03/04/18 15:19
真っ黒な部屋でした。 
真っ暗じゃなくて真っ黒。 
壁や床、天井もそうだったと思うけど、全てが真っ黒に塗りつぶされた部屋です。 
隅の方に写真が立てかけてありました。 
遺影みたいな感じの人の写真。でも、はっきりとは見えませんでした。 

それよりも目を奪われたのは、ドアから見て右側の壁。 
そこに押入があって、こっち側の戸が開いていました。 
中にはキノコが生えています。ヌルヌルとした粘液にくるまれた、赤黒い小さなキノコ。 
それが、びっしりと押入の床や奥の壁まで覆い尽くしていました。 
押入の床も壁も、ヌメヌメと光るゲルにまみれて、内臓みたいに見えました。 
出来の悪い悪夢のような光景に吐き気を覚えながらも、 
それに魅入られるかのように、いつしか俺は中に足を踏み入れようとしていました。 

「あ~あ」 
突然、耳元で声が聞こえました。 
「入ったら死んでまうのに。」 
低い男の声でした。 
背筋が急にゾクッとして振り向くと、目の前に友達の顔がありました。 
何とも言えない表情です。 
悲しそうな、嬉しそうな、でもどこを見ているのか判らない虚ろな目。 
部屋の中の光景とは違った意味で、俺は吐き気をもよおしました。 

852 名前:841 ◆O2uqqje66g 投稿日:03/04/18 15:20
それでも、勇気を振り絞って目の前の友達に声をかけようとしました。 
「おい・・」 
その時、足首のあたりがヒンヤリとした何かに包まれました。 
そのままグッと締め付けてくる、ヌルリとした柔らかい感触。 
何かが、部屋の中から俺の足首を掴んでいる! 
「うワァアァァア!」 
俺は思わず悲鳴を上げ、友達を押しのけて廊下を走りました。 
前方の暗闇に女の子の姿が見えます。あたりに響き渡る甲高い笑い声。 
もう恐ろしくて気が狂いそうでしたが、無我夢中で走りました。 

どこをどう走り抜けたのか、気がつくと俺は外に出ていました。 
しばらく走って、道路沿いの自販機コーナーでようやく一息つきました。 
ズボンをまくり上げ、自販機の明かりで照らして見ると、 
足首に異常はありませんでしたが、逃げ出す時にあちこちぶつかったのか、 
傷や痣がたくさん付いていました。 

865 名前:841つづき ◆O2uqqje66g 投稿日:03/04/18 15:36
廃屋であったことについて俺が覚えているのはここまでです。 
あとは、家に帰るのが遅くなって親にひどく叱られたことぐらい。 
多少の脚色はありますが(セリフとか言い回しとかね) 
95%くらいは本当にあった出来事です。 

こうやって整理してみると、あらためて気付いた事があります。 
それは、記憶がかなりいい加減だなってことです。 
何というか、アンバランスで「いびつ」なんですよね。 
カギの掛かったドアや、女の子に見せてもらった数枚の写真。 
そういうディテールは、細かいところまではっきり覚えているんですけど、 
家の中の様子なんかは曖昧な記憶しかない。 
ただ、感触っていうか感情っていうか、 
怖いとか、気持ち悪いとか、そういう記憶が残っているだけなんです。 

廊下の突き当たりの部屋に関しても、黒い部屋だっていう印象ばかりが強くて、 
中がどうなっていたのかは、殆ど覚えていない。 
部屋に写真があったのは見てるけど、どんな写真なのかはわからないんです。 
ドアを開ける前のイヤな予感だったり、足を掴まれた時の感触だったり、 
そういう自分の感じた事は、昨日の事のように蘇るんですけどね。 
例外は、押入の中の光景と耳元の低い声、振り向いた時の友達の表情。 
特に友達の顔は、目に焼き付いて離れない位ハッキリと覚えていたんです。 

ところが、あのあと友達がどうなったのかは覚えていない。 
だから、気になって調べようと思ったんですよ。それが3日前の話です。 

866 名前:841つづき ◆O2uqqje66g 投稿日:03/04/18 15:37
名前もわからないんで、卒業アルバムで顔を探そうってパラパラめくりました。 
そしたら居ないんです、記憶の中の顔と一致する奴が。 
そんなはずはない。あの時学校で待ち合わせして一緒に行ったんだから、 
絶対同じ学校に居るはずだって、何回も見直したんだけど、居ない。 
そこで、あらためてその友達の顔を思い出そうとしたんですが、 
黒い部屋の前で振り向いた時に見た顔以外、全然思い出せない。 
虚ろなあの表情が、俺の中に残された記憶の全てでした。 
それだけじゃないんです。 
ずっと仲の良い友達だったと思ってたのに、 
そいつと一緒に遊んだ思い出が、その廃屋へ行った時のものだけだって事に、 
その時初めて気付いたんです。 

「そんなアホな・・・」そう思って、もう一度アルバムを繰るうちに、 
あるページのところで手が止まりました。 
そこには、あの廃屋にいた女の子の顔写真が載っていたんです。 
慌てて他のページも確認しました。 
その顔は、卒業アルバムのいたるところに載っていました。 
名簿には、ちゃんと名前も住所も書いてあります。 
正体不明だと思っていた女の子の存在を確認した事で、 
俺の記憶は、いよいよアヤフヤなものに成り下がりました。 

868 名前:841つづき ◆O2uqqje66g 投稿日:03/04/18 15:39
少し迷ってから、俺はその女の子(仮にAとします)に連絡を取る事にしました。 
幸い母親がAの携帯番号を教えてくれたので、早速電話してみました。 
最初は怪訝な口調だったAも、事情を話すと 
「ああ、あの時の・・・」と思い出したようでした。 
てゆーか、聞いてみるとAはあの時のことを克明に覚えていました。 

Aはあの日、あの廃屋の近所に引っ越してきました。 
で、あたりをブラブラするうちに廃屋を見つけたAは、塀の隙間から中に入り、 
すでに開いていた玄関から上がり込んで、探検を始めました。 
やがて書斎みたいな部屋で、数枚の写真を見つけました。 
それを見ているうちに、持ってきた懐中電灯の明かりが消えてしまった。 
それで少し怖くなり、探検を続けるか迷っているところで、 
誰かが玄関のドアを開ける音が聞こえてきました。 

てっきり「大人が入ってきて怒られる」と思って身を固くしていたところへ、 
現れたのが自分と同じくらいの年頃の子供だったので、ホッとしたそうです。 
安堵感でちょっとハイになったAは、探検を続けるように持ちかけました。 
(あの時のちょっと芝居がかった仕草は、多少の演技を交えて好奇心を刺激する、 
Aの作戦だったわけです。女ってのはつくづく怖い生き物だと思う。) 
その甲斐あって、現れた子供とAは一緒に家の中を探検し始めました。 
「そこで二人になったから、探検続けてしもたんよ。あそこで止めてたら・・」 
「え??ちょっと待って」 
俺はあわてて聞き直しました。 
「二人って・・・」 
「だから、私と**君(俺の名前)の二人やんか。他に誰が居るっていうの?」 

869 名前:841つづき ◆O2uqqje66g 投稿日:03/04/18 15:40
一緒に廃屋を彷徨ううちに、Aは俺の行動がおかしいことに気が付きました。 
誰も居ない方向に向かって話しかけたり、誰かの後を追うように歩いたり。 
そういうのが気持ち悪くて、Aは少し離れて俺の後ろを付いて回りました。 

やがて、あの渡り廊下にさしかかったあたりで、喋り声が聞こえてきました。 
Aはてっきり俺が独り言をつぶやいているんだ、と思ったそうです。 
「こいつ本当に大丈夫か?」Aの恐怖心は一気にふくれあがりました。 
そして、俺が黒い部屋のドアを開いた時、Aはものすごい悪臭を嗅いだのです。 
思わず口を押さえ、後ろを向こうとした時、低い男の声で 
「・・死んでまうのに。」と言うのが聞こえました。 

見ると、俺が虚ろな目をしてこっちを向いている。 
真っ黒な部屋を背にした俺は、背景を黒く塗りつぶされているように見えました。 
まるで、あの写真のように。 
それで、Aは振り向いて逃げ出したのです。 
俺と同じく、夢中で逃げるうちに、いつしか自分の家の前まで来ていたそうです。 

Aはそれからしばらく、悪夢に悩まされました。 
その後、学校で俺を見かけることはあっても、 
あの時のことを思うと、声を掛ける気にはならなかった。 
だから、今日までの俺はAの事を覚えてなかったんです。 

870 名前:841おわりです ◆O2uqqje66g 投稿日:03/04/18 15:41
最後にAがこんな事を言いました。 
「でもね、こういうこと言ったら何やけど、**君のいう友達っていうの、 
今も居るんだよきっと。」 
「え?」 
「ホラ、さっき『二人?』って聞き直した時あったでしょ? 
あの時、**君の声にかぶってたよ。『マジで・・』って。低い男の声。」 

洒落にならないくらい恐い話を集めてみない?Part33