omamori

(出典:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?7


これは私が学生のころ、友達(Nちゃん)から聞いた実話です。
Nちゃんの小学校から付き合いのある友達、育美ちゃん(仮名)が体験した、本人にとってはすごく辛くて悲しい話。


育美ちゃんは、小学校に上がる前にお父さんを亡くしてしまい、お母さんはその後再婚もせずに働きまくって、育美ちゃんを高校はもちろん、大学にまで入れてくれました。
でも、無理がたたって倒れてしまいました。
それでも、身体が良くなるとまた働きはじめて、そしてまた倒れて……

そんなことを繰り返しているうちに、ついに起き上がれない身体になってしまいました。
そして、自分がもう長くないと悟ったお母さんは、お守りを1つ育美ちゃんに手渡し、「ごめんね育美。ひとりでも頑張るんだよ。
でも、どうしても辛かったり耐えられなくなったら、このお守りを開けなさい」
と言いました。

しばらくして、お母さんは亡くなってしまいました。
育美ちゃんはお母さんに貰ったお守りを、お風呂に入るとき以外は、肌身離さず持ち歩いていました。

あるとき友達(Nちゃん達)とプールに行ったとき、更衣室で育美ちゃんのお守りの話になり、中を見てみようということになったそうです。
最初は断った育美ちゃんも、お母さんが亡くなってからだいぶ経っていたこともあり、まあいいかと思ってお守りの中をのぞいてみました。
するとそこには、1枚の紙が折り畳んで入っていました。
「なんだこれだけ?」と拍子抜けした育美ちゃんが、その紙を取りだして開いてみると、そこには……震えた文字で『育美、死ね』と書かれていました。

これってどう思います?
私には間違っているけど、母親の愛のような気がします。
『耐えられないくらい辛いことがあったら、死んでもいいんだよ。お母さんのところへおいで』って感じ。
これを見た育美ちゃんは、そのときは相当ショックだったらしいけど、しばらくすると何事もなかったように明るかったそうです。
そのときは友達がいたし、別に辛いこともなったのでよかったけど、もしホントに辛いときにお守りを開いていたら……



【出典:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?7】